最近、電車に乗っている時に、車内のモニタでフィリピン航空のCMが流れているのを見かける。
日本でフィリピン行きの航空券を購入する時は、なぜか意外と高いということもあり、まず利用することはないが、現地で航空券を購入する際は、他の航空会社のものと比べて割安なので、コスト優先の場合、仕方なく利用することがあった。
「安かろう悪かろう」というのはあるだろう。
エアアジア等のLCCとかで、サービスが悪いとか、座席が狭いとかいうのはあるが、
そういうコストを削った分、航空券の価格に反映されてるのだから、
仕方ないのいうのはある。
しかし、フィリピン航空の場合、そういった次元の話ではない。
日本行きのフライトの日にマニラ空港に着くと、フライトキャンセルの情報が飛び込んできた。
空港職員の話によると、「悪天候」のためということだったが、マニラ自体は現に晴れているし、ネット等で見た限りでは、日本の天候も特に問題はなかった。
普段から客に金をたかったり、荷物チェックにまぎれて人の財布の中身まで調べて現金をかすめ取ろうとするような、恥知らずな空港職員の言うことなどあてにしないが、後からわかった情報によると、案の定、航空機のメカニカルなトラブルだった。
翌日早朝5時というとんでもない時間にフライトが変更され、ほとんど寝る時間もとれず、再びマニラ空港へ。
空港の建物の前に人だかりができていて、明らかに様子がおかしい。
人だかりの中で、今度は何が起こっているのか、状況がわからないまま、たまたま出くわした日本人のオジサンの話によると、予約システムがトラブっている、ということらしい。
そのオジサンと世間話をしている間に、空港が開門。
入り口の荷物検査、チェックイン、イミグレ、再び機内に持ち込む荷物検査と済ませ、ゲート前で日本人どうしで集まって、愚痴をこぼしたりしていた。
Boadingが始まり、機内に乗り込む。自分の座席を探していると、またなにやら様子がおかしいことに気がついた。
機内の最後尾のあたりに人が集まっている。
気になりながらも、自分の座席をたどっていくが、吸い込まれるようにその最後尾へ。
ない。
座席がないのだ。
うんざりしながら、立ったまま最後尾で待っていると、早い段階で搭乗員が何かを話しかけ、何人かをどこかへ誘導していった。
この時点で、連れて行かれたのはフィリピン人。
まさか...
空いている席に誘導する作業なのだろう。それからしだいに外国人(主に日本人)も誘導されていくが、運悪く後回しにされる形になってしまった。
搭乗してから、2時間くらい経過していた。
ようやく自分も誘導され、空いている中途半端な席に押し込まれた。
しばらくすると搭乗員がボソッと話しかけてきた。
Would you like to change to the upper seat?
もうどうでもよかったが、せっかくなので、言われるままビジネスクラスへ。
そしてそこには、予想したとおり、早い段階で消えていったフィリピン人達の姿が...